MEMORIAL ALBUM ずっと 一緒に・・・




テーマ的にとっても重たいのですが、最後まで飽きずに見続けられる舞台でした。 後半からラストへかけては、やはり泣けますね。 でもコメディタッチの箇所が散りばめて有って、2時間休み無しなのですが苦になりませんでした。(ホントに気づいたら終わりの時刻だった(^_^;))

高校時代の弱小サッカー部での仲間たちや会社の同僚・上司等様々な人間との間のやりとりです。 でもやっぱ、あの終わり方はイヤだな、なんか。

基本的には吉岡良幸(演:橘川丈仁郎)を中心とし、サッカー部時代からの仲間達の動きを平行するサイドストーリーとして絡めています。
高校を卒業して2年、理由は不明(説明ありましたっけ?)ですが主人公:良幸が自殺を図る、幸い未遂に終わるが左脇腹付近に大きな傷跡を残してしまい、負い目を感じてしまいます。 それから2年、サッカー部の仲間「山崎行広(演:松下卓也)」の勤める電機会社に就職するが会社に明示していなかった自殺未遂の件が露見、会社側で病院と接触し病院側から通院・加療の必要性を提示されたため会社からは休業を命じられてしまう。 またつきあっている彼女「高瀬葉(演:大葉ふゆ)」に自殺未遂の事を話し理解を求めるが、事を性急に運びすぎたが為に彼女をも精神的に追いつめてしまう。 そういった要因も含めて躁鬱の症状が悪化してきている良幸のためにサッカー部の仲間はサッカーの試合を行おうとする。その当日良幸はそれを見ないで、気遣ってくれたみんなに「ありがとう、そしてさようなら」の手紙を残して再度自殺してしまう。 それから更に1年、一周忌の日にみんなで集ってサッカーの試合をする、良幸、そして一緒に過ごした時間を忘れない為に・・・・・

という感じなんですが、概略を読んだだけでも重いですよねぇ(^_^;) えぇ、実際重いんですけどね。 でも個々の役者さんがキチンキチンと演じていて暗くならないで上手く進められていきますね。

だけどホント、「大白一樹(演:笠原竜司)」の「人間は結局、他人の痛みは分からない。分からない事を知っているからこそ・・・」のくだりからはやっぱ涙ですよねぇ、よく「お前に俺の気持ちなんて分かるもんか!」って言いますけど、分かるハズないんですよねぇ、これ、その人の考え方は生き方や生活環境にも依存しますし、今置かれている立場も影響しますもんね。 分からないけど分かろうと努力し一歩でも近づこうとする、その考え方が大事なんですよね。(理想論かもしれないけどね)

結局このストーリーでは吉岡良幸は死んでしまいました、自殺を図った人は精神を病んでいるとしてカウンセリングを受けたりします、劇中でも述べられていたように現状の彼は「精神的に追いつめられ(無意識に防衛本能が働い)た時のもう一つの自分」なのですが、一般には「精神を病んでいる=正常ではない(というか異常である)」という図式の下に切り捨てられていきます。 確かに周囲の目は冷たいかもしれないけど、それを助ける仲間が居たんです、乗り越えてみんなで楽しくサッカーをする・・・という終わり方を迎えて欲しかったと思います。 自殺を図ったという事実が負い目となり、どんどんマイナス思考になっていきます、しかし事実を事実として受け入れるためにカウンセリングを受け、前向きに考えて生きていくのです。 自殺未遂という自分の過去を克服した人とそれに負けてしまった人の総数や比率を私は知りませんが、可能ならば俗に言うところのハッピー・エンディングに出来なかったのかな?と思いました。

(ま、「真辺まき(演:田原裕子)」がかわいぃ〜からいーんです!)