KUNISADA 国定忠治



神矢ゆきさん、三松明人さん、池内菜々美ちゃんの出演された、ジャパニーズ・ニュー・プレイ「KUNISADA 国定忠治」を観てきました。
    第一幕


  • 一場:嘉永三年(1850)一二月一四日
    高崎の御用宿
  • 二場:天保一三年(1842)八月
    上州佐位郡田部井村。名主・治右衛門の持ち家
  • 三場:同日、四つ半(午後十一時)近く
  • 四場:嘉永三年十二月十五日
    上州碓氷郡、板鼻の御用宿
  • 五場:天保十三年八月
    上州佐位郡五目牛村、養仙寺境内
    第二幕
  • 一場:天保十三年八月末
    赤城山中、忠治の隠れ家(洞窟)
  • 二場:嘉永三年十二月十六日
    上州三之倉、御用宿
  • 三場:天保十三年八月末
    赤城山中、忠治の隠れ家(洞窟)
  • 四場:嘉永三年七月、夕刻
    田部井村、治右衛門の持ち家
  • 五場:同年十二月二十日
    上州吾妻郡、大戸の関
  • 六場:翌二十一日
    大戸の関、南の谷。 処刑場。

脳内出血で一時的な左半身不随となり、名主の持ち家の地下室に匿われた忠治も、結局は名主による密告で捕縛され処刑の日を迎える、その護送中の担当役人との交流を交えながら「人間・国定忠治」を描いていきます。
この原作は「国定忠治という英雄は悩まなかった」という神格化された忠治像が蔓延している時に書かれた物と思われ、「忠治も実は人並みに悩んだのだ」という事を描いています、当時のインパクトは相当な物だったと予想されますが、現代では「どんな人でも悩んでいただろう」と考えられていますのでかなりインパクトは薄いです。 原作をココに求めた時点で誤りではないでしょうか?
映画調の説明、本物の鶏を使った住処の再現、大きなダイスを転がすことで表された丁半賭場の雰囲気など演出家:串田和美の手腕は驚嘆に値しますし、人間:国定忠治を演じきった主演の市村正親の表現力も賛辞を惜しみません。 願わくば、違う原作で描いて欲しいですね。